スリランカ

スリランカ鉄道の便所を清潔にする取り組み

 

スリランカ鉄道の便所は汚い。列車内も駅構内も、とてつもなく汚い。外国人が利用する一等車は割と清潔さを保ち頑張っているものの、1等→2等→3等と、ランクが下がるに比例して汚さが増す。もしも潔癖症の日本人旅行者がスリランカ鉄道の便所を目にしたら、途端に排便欲を失くし、利用を躊躇するのではないでしょうか。
私は以前からこの問題を改善すべき重要問題と位置付け考えてきたのですが、一筋縄では行かないみたいです。問題点として以下原因が挙げられます。

 

■ 行政側が重要視しないためか、鉄道部門に国家資金を多く回さない
■ 上記問題に加え、衛生観念に乏しく、現状に疑問を持たない

 

スリランカ鉄道は国営で、旧体制時代の産物。日本の国有鉄道時代を想起すれば、何となくお分かりいただけるでしょうか。
民間鉄道会社はなく、ライバル不在のため競争意識が育たない。実際のところバス輸送が唯一のライバルですが、恐らくは別次元と捉えてしまっているのでしょう、ライバル視する素振りを見せず、良くも悪くもマイペースを貫き通しています。よって、向上心が芽生えにくい環境が今日まで続いてしまっていると思われます。

 

本来、スリランカ鉄道は観光に適した良い素材を持ち合わせています。路線網は大変恵まれ、世界有数の景勝区間を走行しつつ、それでいて各観光都市をカバーしています。車両も既存のものの他、特別車両のEXPOやRajadhani Expressを増結したり、豪華貸切車両をクラシカルな蒸気機関車に牽引させるという趣のあるサービスも提供しています。貸切車両でなくとも、展望車や寝台車などの1等クラスも快適で、バスとは違い自由度が高いのがポイント。これで列車の運行本数が増え、2等以下の便所も清潔になれば状況は逆転し、観光客だけではなく一般客の呼び水になるとは思うのですが……
鉄道と便所のサービスに関して、日本国有鉄道が民営化された当初の京阪神地区で興味深い逸話があります。JR西日本ではサービス向上に躍起になってはいたものの、如何せん乗客が敬遠し、既存私鉄へと逃げる傾向は変わらず。この原因を探るためにアンケートを実施したところ、“JRは汚らしい”との回答が大多数で、汚らしいという理由の大半は「便所」にあったのだといいます。その後、JR西日本はできる限り便所の衛生に力を注ぎ、利用客のJRに対する印象は変化したとか。ちなみに現在はJR西日本圏内の駅便所に温水洗浄便座の設置が増えてきて好評を得ています。
スリランカ鉄道の便所の話に戻りますが、国費を割けないのであれば民間委託しかありません。EXPOやRajadhaniがスリランカ鉄道に入り込んだように、民間会社がスリランカ鉄道と折り合いを付けて何とかして参入していただきたいものです。
便器そのものを日本の旧車両から転用するならば需要はありそうです。但し、現地でどのように汚れて行くのかは研究する必要がありそうです。日本の鉄道車両の便器処理に困っている事業者様がいたらご参考まで。

 

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