スリランカ

日本製中古車をスリランカから逆輸入

 

我々は何気なく左側通行のルールの中で暮らしていますが、世界的視野で見ると左側通行は少数派で、実は右側通行の方が割合として多く、全世界の7割を占めると言われています。
少数派となる左側通行国家群、その一部は古くから英国との縁、或いは何らかの関連・連鎖があるもので(日本は侍のすれ違いの際に鞘が当たるのを防ぐためといわれている)、元英国植民地であったインドやスリランカも左側通行。よって、それらの国において車のハンドル位置は右側となります。
右ハンドルならば日本とスリランカでは共通のため、自動車の輸出入には塩梅が良ろしい。
現地での日本車人気は他国同様で芳しく、日本車を新車で購入する富裕層は多くいらっしゃいます。また中古車であっても日本車であれば人気が高く、関税率が高く設定されているとはいえ、日本からスリランカへの中古車輸出は盛んです。

 

中古日本車のスリランカへの輸出の発端は、恐らくは個人レベルで日本からスリランカへ輸送した中古車の評判が芳しく、次第にビジネスへと発展していったと推測できます。そういった流れが一度起きると、このビジネスモデルが隆盛することは時間の問題であったのでしょう。
結果、しばらくの間このビジネスモデルは持てはやされ、在日スリランカ人が挙って同業に手を染めるようになりました。
やがて多くの中古車輸出入業者が日本―スリランカ双方で発足され、黄金時代とも呼ぶべき時期が続きましたが、問題が皆無ではありませんでした。スリランカのインフラ整備が想像以上に追い付かず、街中には日本車があふれ返り、激しい交通渋滞を引き起こしてしまったのです。渡航された方はご存知でしょうけど、特にコロンボやキャンディの近郊では環境汚染を招く凄まじい状況を生み出していました。
この状況にスリランカ政府は業を煮やし、車両の製造年が古いものの中古車輸入を段階的に禁じ、最終的に製造2年以内の中古車両でなければ輸入には高い関税率を課しました。
時が経つに連れて、日本からスリランカへの中古車輸出は飽和点に達し、やがて昨今のアジア諸外国経済の台頭や環境問題も手伝い、購買層の選択肢は中・韓・印の格安新車か日本製中古車の二択へ。とはいうものの、庶民の気持ちとしてはいまだに「中古でも頑丈で性能の良い日本車が欲しい」という価値観が根付いております。
ここで、一辺倒であった中古車流通の流れ“日本→スリランカ”の概念を、あえて“スリランカ→日本”の発想に切り替えてみると、これまでとは違ったチャンスが見えてきます。
スリランカには物品を大切にする方が多く、自動車も同様、大切に扱うケースが各地で多く見られます。例えばハコスカと呼ばれるモデルのスカイライン、初代セリカ、30年近く前のカローラ、三菱生産のジープなど、コンディション良好の勇姿を目撃することがあり、日本車に限らずアンバサダー、Miniクーパー、ビートルなど、マニアが喜ぶ世界の車種も健在。しかもコンディションが良好。
これらを逆輸入目的で買い付け、日本(他)でアンティーク販売するというのはどうでしょうか。主にキャンディ周辺のアンティークショップ、或いは個人での取引が盛んですが、やや割高となる傾向は否めないので、都市部ではなく、出来れば田舎まで足を伸ばして持ち主を発掘し、交渉を進めると良いでしょう。ジャフナまで行けば戦火を逃れたアンバサダーが手に入るかもしれません。
もちろん円高の時期に買い付けることをお薦め致します。

 

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